先日、韓国の祭祀(チェサ)について書きましたので、今回はお墓について触れたいと思います。
(前回の記事はこちら→「韓国の祭祀」)
日本では四角い墓石が墓地に並んでいるイメージですが、韓国のお墓は山にあります。比喩ではなく山の側面に丸く盛られた土饅頭がいくつもあるのです。これは土葬の習慣によって作られたもので、今でもその形態のままのお墓がたくさん残っています。現在は火葬が主流となってきましたので、日本のように墓石をたてて納骨する家も増えてきました。
土葬のお墓は一人一つなので、先祖がたくさんいる人はその分のお墓を回らなくてはいけません。
山なので当然標識もなにもなく、舗装されていない道を歩いてのお墓参りです。日本では喪服を着て水桶や線香を持っていく姿がよく見られますが、韓国では供え物を、道ならぬ道で運ぶため軽装の人が多いです。
お墓につくと、はびこった雑草を抜いたり周囲の掃除をしたあと、チェサのように酒や果物や餅を供えて礼をします。そのあと、食べ物は小さくちぎって周囲に投げます。周りのお墓の人たちに、うちの先祖をよろしくお願いしますという意味で食べ物を分けるのです。実際に食べるのは山に住む動物たちなのですが。
お墓参りが終わると、また下山するのに体力が必要です。最近はバラバラの場所にある先祖の墓を一つに合わせて、その墓を車で通れるところへ移そうという話をよく聞きます。少子高齢化が進む昨今では、日本のように家のお墓は一つ、というところが増えていくのかもしれません。
2012年12月11日
相続安心サポートセンタースタッフ 金