コラム

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もし認知症になったら財産管理は?そんな将来の不安に備えましょう!

 

 司法書士会の無料相談や電話相談などに参加する機会があるのですが、最近ご相談者から「認知症」という言葉をよく聞くようになりました。

 ケースとしては、ご家族の中に認知症になった方がいて、相続や不動産の売却・賃貸借契約の解除などの法的な手続をどうすすめるべきかわからない、ということがほとんどですが、最近増えてきてるなと感じるのが、「将来認知症にかかったときのために、今からできることはないか」という内容です。

    

 認知症は、高齢になるほどかかる割合が増え、認知症患者数も年々増えているのが現状です。実際に認知症患者の介護をしたり、テレビや雑誌などの情報に触れる機会が増えたことがきっかけで、もし自分が認知症にかかったら・・・と、不安になり相談される方が増えているのです。

     

 では、そうした不安にはどのように備えればいいのでしょうか。
方法のひとつに「任意後見契約」というものがあります。
「成年後見制度」という言葉をすでにご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、成年後見制度は、実は2種類に分かれています。
その一つが「法定後見」といい、認知症などによってご自身の判断能力が落ちたときに、裁判所が選んだ後見人が、財産の管理や賃貸借契約の解除など法的な手続を支援し保護する制度です。

   

つまり、ご自身の判断能力が落ちて初めて裁判所に申し立てるので、時間がかかったり、ご自身の希望とは違うことが起こるかも知れません。
これでは将来の不安に備えることはできません。

     

そこで成年後見制度のもう一つの種類である「任意後見契約」というのを利用するのです。これはご自身がお元気なうちに、ご自身が選らんだ後見人に、将来病気などで判断能力が落ちたり、怪我で動けなくなってしまったときに、法的な手続の支援をしてもらうよう、後見人と契約をしておくという制度です。

   

 任意後見契約は、ご自身がお元気なうちに契約をしますから、将来の希望のプランに沿うよう内容を決めることができ、ご自身の希望や計画を反映できるというメリットがあります。
いざというときにサポートをしてもらう後見人も、ご自身で選ぶことができるため、信頼できる人を選ぶことができます。
また、実際に判断能力が落ちたとき、後見人を監督する後見監督人が裁判所で必ず選ばれるため、より安心を得ることができます。

   

 他にも実際に判断能力が落ちる前から、現在の状態や不安、今後のプランなどを確認するため、定期的に後見人と連絡を取り合う「見守り契約」や、不幸にもご自身がお亡くなりになったあとの葬送、遺産の整理等の様々な手続の方法を決め、後見人に任せておく「死後事務委任契約」など、任意後見契約と併せて契約をすることで、現在の不安も将来の不安も取り除くことができるようになります。

    
当センターでは、ご自身のライフプランをじっくりと聞きながら、色んなご提案をさせていただきます。
まずは、お気軽にお問合せくださいませ。

 

平成24年7月6日
司法書士 李

 

相続に関するよくある質問